保育士のみなさん、毎月のお悩みの1つである、月案!
しかし、なぜ、月案というものを書かなくてはいけないのか、必要なのか、理解していますか?
筆者も保育士でしたが、最初は、なぜ、書かなくてはいけないのか理解不足の一人でした…。今では、恥ずかしいことですが…。
「なぜ」がわかると、毎月の月案の書き方や考え方が変わるかもしれません!必見です!
月案とは?
まずは、月案とはどういうものなのでしょうか?その名前の通り、「月の保育活動を計画したもの」です。保育のねらいや内容から出来ており、その基になるものは、「年間指導計画や保育計画」となります。
この月案は、各保育園により、様々な様式ではありますが、基本となるものは、上記に記したものに変わりはありません。
また、月案をもとに、週案や日案といった細かい保育案も制作していくことになります。子どもを1ヶ月間、どのように成長して欲しいか、どんな風にクラスとして過ごしていきたいかなどを書いていくものとなっています。
保育園の月案、年齢ごとのポイントは?
保育園には、0歳児から5歳児が通う場所です。そのため、各年齢ごとに、月案を書く際のポイントがあります。
子どもやクラスによって、内容は異なるものの、書いていく際のポイントがありますので、参考になれば幸いです。
0歳児
0歳児は、特に難しい年齢であり、月案をクラスとして書いていくというよりも、個人の月案として、書いていくことの方が多いでしょう。それは、0歳児は、月齢によって、様子や成長して欲しい部分などが全て異なり、クラスとして、まとめるには難しいことも考えられるでしょう。
そのため、0歳児は、「個人の保育園生活」をポイントとして書いていきましょう。例えば、保育園での生活の中で、睡眠を十分に取ることが出来ているのかを考え、十分に睡眠をとるため、安心感はどうだったのか、環境構成はどうだったのかなど、様々なチェック項目を考えることが出来ます。
筆者も0歳児担当だった頃は、1人ひとりの月案を書いていました。筆者が書いていく際に気にしていたポイントは「日々の様子・1週間で変化した点・1ヶ月で変化した点」と小分けにして、子どもの様子を考えていくことでした。
ゆっくりかもしれませんが、少しずつ変化していく0歳児です。特に、個別に子どもを見て、日々の様子などを書き記していくことが大切です。
1歳児
1歳児は、0歳児よりも、動きが活発になる頃です。ポイントとしては、「身体の動きの発達・指先の動きの発達」に注目していく必要があるでしょう。
例えば、つかまり立ちをしている子に対し、足の動きや安定性を見ていき、どうすれば、つかまることなく、自分で立てるようになるのかを考えていきます。そして、それがクリアすると、次は歩くことに対して、どうしていくのかが、次の月の目標や内容になっていくのです。
1歳児も0歳児同様、個別に月案を書くことが多いので、個別に見ていく必要があります。
2歳児
2歳児は、身の回りのことを自分で出来るようになる時期です。そのため、「食事・排泄・着脱」の点を意識して書くようにしましょう。
例えば、食事であれば、道具食べの中に、「スプーン・フォーク」から「箸」に移行する保育園もあるでしょう。そのため、「箸」を持てるようにするためには、どのようなステップを行うと、3歳児になるまでには、箸での食事が確立をするか考えます。そして、そのステップを月ごとに考えていくのです。
まずは、「箸」というものを知ることから始めたり、指先の力の入れ方を箸ではなく、洗濯ばさみを使用して行ってみたりなど考えることが出来ます。
例のように、身の回りのことについて、スモールステップをポイントとし、考えていきましょう。
2歳児も個別月案のことが多いので、個別にステップを考え、月案を書いていく必要があります。
3歳児
3歳児からは、クラスとして月案を書いていくことが多くなります。それは、2歳児までは、個別に成長していくことが多かったのですが、3歳児からは、友達との関わりなどが増え、「個」ではなく「団体や社会性」がポイントとなってくるためです。
そのため、「対人関係」について、ポイントとなります。
例えば、友達と一緒に遊ぶことの楽しさを知ることを挙げましょう。2歳児までには、少しずつ、玩具の貸し借りをする仲であった友達が、3歳になると、もう1つステップが上がり、玩具を貸し借りしながら、一緒の遊びで遊ぶというものになっていきます。
もちろん、一緒に遊ぶことの楽しさを知り、子ども自ら遊ぶようになるのは、最後の3月である月案になるかもしれませんが、それまでのスモールステップを4月から始めていく必要があります。
2歳児からは、がらりと変わっていくので、個別だけではなく、全体を見ていくことも大事になっていきます。
4歳児
3歳児同様、4歳児もクラスとしての月案となります。
4歳児のポイントは、「対人関係・言葉」です。3歳児でも対人関係でしたが、4歳児では、一緒に遊ぶ中で、イメージが共有されることが大切になっていきます。そのために、対人関係だけではなく、言葉も重要になるのです。
友達に対して、「言葉」をどうのように使用していくのか、自分で考え、必死に伝えようとする年齢です。もちろん、かなり難しいことなので、子どもの中で葛藤があります。その葛藤などを取り上げ、月案として、最終目標である対人関係にしていくのかを考える必要があります。
5歳児
5歳児は、最終学年でもあるため、「協同性・ルールを知ること」がポイントになっていきます。
4歳児までは、自分の好きな友達との遊びを楽しむ「共同性」のほうが強かったのですが、5歳児では、1つのことに対し、クラス全員で取り組み、頑張っていくことが重要になります。「協同性」を知り、「みんなで努力すること」を知り、「人との繋がり」を知ることになるのです。
「協同性」を知っていくためには、どのような生活をクラスとして過ごしていけば良いのかを考えていく必要があります。それにプラスして、「社会性」を学ぶために「ルールを知ること」も重要になるので、学校への進学に向けても大切です。
月案を書く際の注意点は?
重大な注意点があります。それは、月案については、記入例などがありますが、そのまま丸写しではありません。なぜならば、目の前で保育している子どもが、全て記入例のような子ではないからです。
つまり、月案は1人1人もしくは、クラスごとに月案の内容が異なるのです。
そのため、まずは目の前にいる子どもの姿を日々保育しながら、よく考察していく必要があります。ただ、「あ~楽しかった」と子どもと遊ぶことだけを考えるのではなく、子どもの様子を見て、成長を促すために遊びを考えたり、言葉かけを変化させたりしていくことが大切です。この日々の過ごし方により、日案・週案が成り立ち、月案も成り立っていくのです。
さらに、「ただ、月案を書き上げればいい」と思うことはいけません。保育士の仕事は、本当に仕事量が多いです。そのため、「月案…こんな感じで良いか」と投げやりになってしまってはいませんか?たくさんの文章を作成しなくてはいけず、大変なことはわかります。
しかし、「やっつけ仕事」で月案を作成していくと、日々の保育にも影響し、子どもの成長を止めてしまうだけではなく、大きな怪我や、最悪な状態であれば、死にも繋がりかねない問題にも発展します。
しっかりと、目の前の子を1人ひとり見て、しっかりと月案を書き上げていきましょう。
まとめ
月案について、知ることは出来たでしょうか?
月案を書くことは、最初は本当に難しく、どのような言葉で書けばいいかわからない、どのように子どもの様子を見ていけばいいかわからないなど、わからないことだらけです。筆者も、上記では、偉そうに語りましたが、最初は、右も左もわからない保育士でした。
しかし、目の前の子どもを前にし、この子たちのために頑張ろうという気持ち1つだけで、学びに学んできました。
「わらないから、いいや」ではなく、「わからないから、知ろう・聞こう・話そう」に変えて、努力をしていけるようになると嬉しいです。きっと、この行動を変えることで、目の前の子ども達が、努力に応えて、毎日が「楽しい・笑顔」がたくさんになると思います!
ぜひ、一歩進んで、月案に取り組んでいってください!